maato’s blog

興味のあることや、これはと思ったことをゆるく情報発信していきます。本ブログで述べられている意見は、私自身の意見であり、所属する団体、企業の見解を反映したものではありません。

大阪出張から考えたChallengeとChangeの関係

昨日久しぶりに大阪に出張でいってきました。早朝6時台に家を出たのですが、東京は冷たい雨。大阪も肌寒い曇空で、ときおり雨が降るような天気でした。

大阪は大学、大学院時代に計6年間住んだ街。大阪を離れてから16年。大阪駅付近もすっかり変わり、あれだけよくいっていた梅田界隈もすっかり道がわからなくなり、迷路のようです。

ただ、自分の中でずっと変わらないものが、やはり今回もありました。

御堂筋線の電車接近メロディ

変わらないもの。それは御堂筋線(もしくは北大阪急行電鉄?)の電車接近メロディです。なんのこっちゃいな?という方、こちらです。

youtu.beこのメロディが、大好きなんだけど、ほんとダメです。トラウマ的にダメです。胸が締め付けられて、痛くなり、苦しくなります。新幹線おりて、新大阪から御堂筋線に乗って移動しようとしたとき、いつもホームでこの音を聞くと、胸が痛くなります。完全なトラウマです。

なんでこんなことが起きるのか。

 

高校時代に、大学受験のため新潟から大阪に来ました。ここが大本命の大学でした。季節はまさに今と同じ3月。その年は大雪だったこともあり、また、新潟から大阪は普通なら、富山、金沢といった北陸経由なのですが、大雪で電車が止まるリスクも鑑みて、受験日の二日前に、新潟ー東京ー大阪という新幹線経由で受験にきました。

その時に二泊したのが、まさに江坂のホテルでした。

東京にも数回ぐらいしか来たことないのに、ましてや大阪なんてきたこともないのに、一人で受験に来ました。なぜ一人だったのかは全く覚えていません。おそらく、親もついていってあげるといってくれたんだと思います。ただ、自分のことですから、ましてやあの年頃、きっと一人でいく、と断ったんだと思います。

いざ来てみると、一人、不安と孤独と緊張の極限の中で過ごした2日間でした。誰とも話すこともない、当然携帯なんてない時代ですから、親とも話ができない。泊まり慣れてない小さなビジネスホテルの中で、いざ勉強をはじめてみても、不安と緊張で仕方ない。

そんな中で聞いていたのが、江坂駅の、あの「電車接近メロディ」だったのです。不安と孤独と緊張の絶頂期の中で、田舎から一人出てきた自分を迎えたのがあの音楽でした。

それ以来ずっとトラウマです。あの音楽を聞くたびに、あの18歳の、不安と孤独と緊張の極限の中にいた自分を思い出し、今でも胸が痛くなります。そしてあの時も、昨日と同じく、冷たい雨が降る日でした。

 

あれから22年が立ちました。時が経つのは早いと同時に、そこまで長く続くトラウマに、トラウマというものは一生消えずに付き合っていくんだなあと思いながら新大阪のホームに立っていました。

22年

22年。その年月は長くもあり短くもあります。

おとといのことですが、「After 22 years...」というタイトルのメールで、22年私と同じ会社に働いた、HQに働く親友が会社を去るということを知りました。

彼とは本当に、気の合う、同僚でした。二人で海外のいろんなところにいったり、東京にきたときは浅草とか観光したり、京都いったり。HQにいったときはいつもランチしたり、二人でバーにいって飲んだりしました。毎回会うときはお互いにプレゼントを持ち寄り、彼の家にもいって彼の奥さんや娘さんとも仲良くしてもらったり、私の息子のThanksコメントビデオを送ったりもしました。

また、彼はとてもWitに富み、グローバルの、社員、お客様からも本当に信頼の熱い人でした。自分だけでなく、日本でも多くの人が本当にお世話になりました。

そんな彼は、「今まで提案してきたことを、今度は自分でやってみたくなったんだ」といい、新卒から22年働いた会社をさることを決断しました。そのメールをみて本当に泣きそうになってしまいました。そして昨日の新幹線の中はそればっかり考えていました。

ChallengeとChangeの関係

そんな彼は、実はちょっと保守的なところもあり、また、静かにきっちり確実にしっかりやることを望む性格でした。

また、いつも私と話しているときに、ぐちになったり、少し後ろ向きな話になったときにはいつも「We have to Change」というのが口ぐせでした。しかも、私にいうと同時に、ぼそっと自分に言い聞かせるようにいうのが彼の特徴でした。私はいつもそれが印象に残っていました。変わらないといけないんだよという一方で、実は自分自身に言い聞かせているのではないか。

そして何より、Changeという言葉。なぜChallengeといった、前向きな言葉でないのだろう。Changeという一種受け身とも捉われる言葉なんだろう、Challengeみたいな活動的なアグレッシブな言葉を使わないのも彼らしいなといつも思っていました。

 

でも新幹線で考えているときに、ふとみたサイトでわかったのです。

www.mskj.or.jp

Challgenge to Change。つまり、Changeが目的。Challengeは方法論。Challengeなんてしなくてもいい。ただ、少しでも変化していくこと、それ自体が重要。とにかくChangeしていかないといけない。Changeしていけばうまくいく。

彼はいつもそれを私に教えてくれていたのだと思います。俺たちは変わっていこう、と。

富士山を見ながら

そんな彼と最終出社日の今朝、電話で会話しました。やはり人気者で、2人が部屋を訪問してきていて10分予定より遅れ。彼らしい。

こんなとき、英語でなんていうんだろう、うまく伝えられるのかなあ、なんて思いながらも、いつもと同じように、お互いの今までのこと、家族のこと、そしてこれからの夢を語りました。電話する前は、俺泣いちゃうんじゃないかって思ってたけど、でも相変わらず彼のWITな話を聞いて、それどころじゃありませんでした。

そんな彼に、リアルタイムで眼の前の光景の写真をとって、Slackでおくりました。なんて素敵な光景をありがとう、と彼からのメッセージ。

今日は本当に朝はやくから青空で、富士山がきれいに見えました。

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