中国で「ゲノム編集女児」誕生か というニュース(12/9追記)
個人的興味(ではあるが、たまに実仕事に関連してくる)というか、知識充足的欲求のテーマとして、「宇宙」のほかに「ゲノム編集」があります。
自分としては、「この2つのテーマがなぜ好きなのか?」という問に対して、「共通点が存在するから」というのが解で、この「共通点」がまさに自分の実仕事が関係してくる、のですが、その話はおいといて、このブログにおいても、「ゲノム編集」について書くかも、というのは初回のブログに宣言したとおりです。
そんな中、衝撃的なニュースが飛び込んできました。
中国で「ゲノム編集女児」誕生か 大学側は「倫理違反」
ついにというか、やっぱりというか、、中国で、世界初の、ゲノム編集で遺伝子を操作した人間が生まれました。
真意のほどはさだかではないですが、ほとんどの国で基礎研究しか許されていないので、論理的な批判は避けられません。
エイズウイルス(HIV)が細胞に侵入する入り口となるたんぱく質の働きを遺伝子操作で抑えることで、エイズ感染を防ぐ狙いという。男性全員がHIVに感染している不妊治療中の7組が実験に参加、1組が妊娠・出産した。実際に女児がHIVの耐性を持って生まれてきたかどうかは不明で、今後、追跡調査するという。
とのことで、 この子供がHIV感染していたら、いやしていなくても、明らかな人体実験。明らかな人体実験。この子供には罪がないのに、、可愛そすぎる。
ただ、この記事をみると、公式発表ではない、っぽくて、本人がいっているだけなので、真意はどうなんでしょう。
早かった中国科学者の反応
昨今のドルガバの事件じゃないけど、最近の中国の反応は早い。
中国の研究者が連名で、“「狂っている」としか言えない“と猛烈な批判を早速しています。まあ当然といえば当然だし、この迅速な批判にちょっとだけ安心。
m.weibo.cn
遺伝子組み換えとゲノム編集
遺伝子組み換えとゲノム編集の違いは、ちょうどこの週末に出ていたこの記事がわかりやすいです。
要は、外から遺伝子を入れて確率的なものに頼っていた遺伝子組み換えと、直接遺伝子そのもの変異をお越し、確実にそれをおこすゲノム編集の違いと理解しています。確実におこす、がゆえのその強さも然ることながら、後世への影響も未知なところが多い。
私自身、専門の科学者ではないので、それは道徳論と感情論でしょってツッコミもあるかもしれませんが、どうなんでしょうね。少なくともまだ「人間の生命への適応は早い」と思っているのですが。。
いずれにせよ、これに遅れをとるな、という実験が続かないことを祈ります。
ということで、昔読んだこの本が一番わかりやすかったです。
ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃 (講談社現代新書)
- 作者: 小林雅一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/08/18
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(12/9追記)
この問題について深く切り込んだ取材の記事。賛同者のコメントもあり。
HIVだからいいのか、不妊治療の見返りというやり方はひどくないか、成人はOKで精子や卵子はだめなのか
でもまあ、がさつでむちゃくちゃな人体実験だという自意見は変わらず。
HIVを防ぐなら他の方法もあるだろう。