Oracle Cloud Infrastructure Certified Architect Associateと AWS Certified Solutions Architect Associate に合格した話
2020/6にOracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Associate(OCI-AA)、2020/7に AWS Certified Solutions Architect Associate (AWS-SAA)に合格しました。
1ヶ月に2つ合格した記念および自分への備忘録として、どんなふうに勉強し、受験したかを記録を残しておこうと思います。
私感ばかりですので、あくまでご参考まで。受験される際には、必ず各試験元の公式情報を参考ください。
【共通的な情報】
・事前知識
どちらのクラウドも「ハンズオンなど少しいじったことがある程度」で、アーキテクトというほどバリバリ構築したことはありませんでした。ただ基本的なことは知っているつもりです。特にDBは基礎はわかりますが、逆にネットワークはめちゃくちゃ苦手な人間です。
・勉強方法
「理解のために自分でノートを作る」
「模擬問題をとにかくとき、得た追加知識をノートに追加する」
「ノートを紙に印刷、何度も間違えるところやわからないところを書き込む」
「模擬問題をとにかく繰り返して何度も解く」
というのが、昔からの自分の勉強方法のため、今回も全く同じです。
ノートは試験後も業務でアップデートや検索できるように、Evernoteに自分で一から作りました。
実機は触りたかったのですが、今まで少し使ったことがあったのでそれを思い出す形で、試験勉強のためには実機を使いませんでした。というか、そんな時間ありませんでした。。
【Oracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Associate 合格記】
・受験したきっかけ
前々から、「一通りの知識を得ておきたい」「社内外の人に「技術も知っています」と正々堂々といえる何かが欲しい」と思っていました。
ちょうど4月にOracleが資格取得のための無償オンライントレーニングを公開したのでやろうと思ったのですが、コロナで受験会場行くのが嫌で断念。ところが5月中ぐらいにピアソンが「自宅で受験できる」ようになったので、これはチャンスと思って申し込みだけ先にやりました。
・Oracle Cloud Infrastructure 2019 Certified Architect Associate (OCI-AA)とは
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)のアーキテクト登竜門の資格です。詳細はこちらを参照ください。
範囲としては、OCIの基礎(コンピュート、ネットワーク、ストレージ)、DB、運用管理、ID管理あたりがメインでしょうか。
受験時には2020版があったのですが日本語版がなかったため、手堅く2019の日本語版を受けました。
・勉強方法
ノートの作成
市販されている参考書がないため、、以下を参考にしました。
- Oracle Cloud Infrastructure 活用資料集
オラクルが公開している、OCIの技術情報です。これでほとんど網羅はできていると思います。こちらの「 Level 100」が主にOCI-AAの対象となります。この資料と各セッションの日本語解説ビデオをみて、ひたすら自作ノートを作成しました。これでほとんど網羅はできていると思います。
- Oracle Cloud Infrastructure Architect Associate Workshop
資格に特化したワークショップ講義の動画です。英語ではありますが、日本語字幕もあります。1.5倍速でみました。が、上記日本語の動画で十分かもです。
模擬問題
以下の模擬試験を解いて本番の感覚を掴んだり、足りない知識を補いました。
Oracle Universityが提供している模擬問題と解説です。これを何度も何度も聞いて、何度も何度も回答しました。なぜ間違ったのかを理解するまで多分10回ぐらいはやったんじゃないかと思います。これが非常に役立ちました。なおこの動画セミナーには、2018年度版の資格のセミナー動画もYoutubeにあり、こちらも何度も解いてみました。ただ2018と2019でアップデートがあり、回答が異なるところがあったので注意が必要です。
- Practice Exam
こちらはオラクルのグローバルで提供されている模擬試験です。英語ではありますが、こちらも何度も何度も回答しました。非常に役立ちました。
参考にした他の方の合格記録
その他、参考にした他の方の合格記録ブログです。
試験内容
範囲は上述したとおり。ネットワーク関連、セキュリティ設定関連が多かった記憶があります。深いレベルを聞かれている問題もありました。DB関連は基本的なことを理解していれば解ける感じです。基本的にはいわゆるOCI Core(コンピュート、ネットワーク、ストレージ)が多かったです。
大体どのテストもそうですが、上述したサンプル問題より本番はかなり難しいです。が、合格が65%ですし、2社択一までもっていけば50%なので、できるところを確実にとることが重要なんじゃないかと思います。時間は十分あって、一回全部見直しして、再度わからないところを考えてちょうどぐらいでした。
勉強時間
毎日2時間目処に、3週間程度です。深夜にやってたので、かなり疲れました。。準備には念には念を入れる性格なのと、覚えることが苦手なので、結構時間を使った感じです。そこは個人差あるかと思います。
【AWS Certified Solutions Architect Associate (AWS-SAA) 合格記】
・受験したきっかけ
OCI-AAに合格した次の日にすでに中身を忘れそうな自分に気づき、今だったらAWSもそれほどハードルなく受けれるんじゃないか、AWSはクラウドリーダーなので知っておいて損はないし、今しかチャンスないかも、と思って、とりあえず申し込みをしてみました。
・AWS Certified Solutions Architect Associate (AWS-SAA)とは
AWS のアーキテクト登竜門の資格です。詳細はこちら。
基本的には、OCI-AAとほぼ同じ範囲ですが、こちらのほうが範囲が広く薄くといった印象をうけました。(気のせいかな、、)
なおこのタイミングで2020の日本語版も出ていたので悩んだのですが、参考書が2019版がほとんどだったので、こちらも手堅く2019版にしました。受験日が2020/7/1で、まさに2019の受講可能な最終日でした。
・勉強方法
ノートの作成
OCI-AAと同じ方法ですが、市販参考書があったため、こちらをベースにノートを作成しました。
書店にいってみるとたくさんの本があります。さすが。自分にとって、一番わかり易いものを選びました。この本は説明もサンプル問題の解説もわかりやすく、非常によかったです。
模擬問題
以下の模擬試験を解いて本番の感覚を掴んだり、足りない知識を補いました。いろいろな情報源があって目移りしてしまい、それなりの投資となりました。。
- 参考書の問題
上記参考書の問題を何度も繰り返しました。
- 【AWS資格】無料WEB問題集&徹底解説
- AWSソリューションアーキテクトサンプル問題
500円ですが、非常に役立ちました。
- Udemy:AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集
例題がほしくて購入しましたが、ゲキムズで、標準問題だけ3回ぐらいやりました。
- AWSが販売する、模擬試験
2000円もするのですが、、かなり悩んだあげく、試験2日前にやってみました。こちらはよく経験者の方のブログに記載されているとおり、終了すると合格したかどうかと正答率しか出てきません。解説も回答もないので、画面キャプしながら受講することをおすすめします。ちなみに2日前で、「不合格」でした。。
参考にした他の方の合格記録
ググるとめっちゃ出てくるので割愛。
試験内容
こちらもサンプル問題より本番が難しくて、半分ぐらいといたところで、あ、これだめだなと挫折しかけました。苦手なロードバランサ、ネットワーク・セキュリティ関連が多くて、自分の弱点ばかりで泣きそうでした。時間は十分あって、一回全部見直しして、再度わからないところを考えてちょうどぐらいでした。難しいと思ったとおり、OCIより正答率は低く、結構ギリギリの合格でした。
勉強時間
OCIとほぼ同じ、毎日2時間目処に、3週間程度です。深夜にやってたので、かなり疲れました。。
【共通事項】
- どちらもピアソンで自宅で受験しました。
ピアソンの自宅受験は便利ですが、始まるまえの準備と、英語会話でのかんたんなチェックがあります。AWSの受験中、口を手で押さえて考えていたら、チャットで「口を隠さないでくれ」と忠告をうけました。誰かと喋ってるんじゃないかと思われたんだと思います。このように試験中はカメラでずっと監視され、音声もおそらく聞かれていると思います。 - うーんこれ何を聞かれてるんだろ??なものがありました。英語本文をみて回答を変えたものもあったので、悩んだら英語で確認したほうがよいかと思います。翻訳が悪いのではなく、「まずは一次ソースを調べろ」というエンジニアの基本を問われているのではないかと。
【まとめ:多ベンダーの資格をとってみて】
- やはり同じレイヤーの資格を2つとったのは正解で、サービス名や違いはあれど、範囲や内容は親しいので、かなり学習コストは少なくできたんじゃないかと思います。
- 違いを意識しながら学ぶ、という感じではなく、上書きしながら頭の中に入っていった感じでした。ただ、試験終わってから、各クラウドベンダーの違いの資料などを見ると、かなりすっきりして頭の中に入ってきます。これは大きなメリットですね。
- 何より自信がつきました。「俺2つの資格もってるんだぜ」と(心の中で)言える。これが最大のメリットです。
- おそらく個々の資格を持っている人はたくさんいらっしゃるかと思いますし、特にAWS-SAAをお持ちの方は多いし、持っているのが当たり前になりつつあるのかもしれません。ただ、他クラウドベンダーの同じレイヤーの資格を複数持っている人は、がくんと数が減るのではないかと思います。
1つのコモデティ化されたものでも、2つをかけ合わせると武器になる。
1つの自分なりの武器をもてたという、小さな自信を手に入れることができました。
すでに資格をお持ちの方も、少し視点を変えるためにも、いよいよやってくるマルチクラウド時代に備えて、複数のクラウドベンダーの資格をとってみるというのはいかがでしょうか?
そしてそのとき、もう一つの新たな勉強領域として、Oracle Cloud Infrastructureもいかがでしょうか(と宣伝しておきます。。)。
これから受験される方々に、少しでも参考になれば幸いです。
OracleのBlockchainの取り組みと、Blockchain GIGのご紹介
このエントリは Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2019の Day 19 の記事となります。
今年は結構真面目記事が多い、Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2019 。私は自分が担当しているBlockchain関連の記事をアップします。
製品の紹介だけでなく、自分が主催者をやっている、技術者向けのミートアップのご紹介もさせてください。
Oracleってブロックチェーンて何やってるんだっけ?
- めちゃくちゃブロックチェーンには力いれています!まずはこちらをご覧ください。
どんな製品やサービスがあるの?
- Oracle はエンタープライズでのBlockchain活用に最適な、Oracle Blockchain Platfromを提供しており、以下2つの製品・サービスがあります。
- Oracle Blockchain Platform Cloud:マネージドブロックチェーンクラウドサービス、いわゆるBaaS
- Oracle Blockchain Platform Enterprise Edition:Oracle Blockchain Platform Cloudのオンプレミス版
どんな特長があるの?
- Hyperledger Fabricをベースにエンタープライズ利用向けPaaSとして提供
- 数ステップで構築完了、GUIコンソールで管理・運用も容易
- エンタープライズグレードの耐障害制、堅牢性
- マルチクラウド、ハイブリットクラウド、オープンなネットワーク構成が可能
- さらにOracle独自の付加価値:
-多機能なREST API:スマートコントラクトの利用を容易に
-台帳のデータをRDBに複製:大量照会、分析、データ統合
-State DBとしてBerkeley DBを利用:パフォーマンスとクエリ利便性向上、Hyperledger FabricのPhantom Read問題に係る制約も解消 - 詳細は下記Slideshareを参照ください
Blockchian GIGて何よ?
- BlockchainGIGとは、エンタープライズでのブロックチェーン活用をさらに推進すべく、エンタープライズ領域でのブロックチェーン活用の、実際の事例での苦労話や技術ノウハウなどを共有できる、エンジニアのためのコミュニティです。
- 企業の枠組みを超えた、様々なオープンな技術共有が目的です。
- 2019/2-12時点で6回を実施しており、下記の方々に登壇いただきました。(敬称略)
- 毎回80名近い方々にご参加いただき、大好評いただいております。
#1 (2/4) : 株式会社セゾン情報システムズ, 株式会社INDETAIL
#2 (4/4) : アクセンチュア株式会社, 某コンサル会社, トライデントアーツ株式会社
#3 (7/4) : G.U. Labs, TIS株式会社
#4 (9/4) : 日本IBM株式会社, 株式会社NTTデータ
#5 (10/10) : 富士通株式会社, 株式会社 LayerX
#6 (12/12) : 株式会社日立製作所, 丸紅株式会社 - 過去の詳細は「Blockchain GIG」で検索いただき、CONPASSのサイトをご確認ください。毎回の資料も公開されています。
- 技術者向けのMeetupである、「Oracle Code Night」のメンバーに登録いただくと、イベント設定時に通知がとぶようになっています。
- ぜひ次回、ご参加お待ちしております。また、登壇したい、という方も随時お待ちしております!
ブロックチェーンって最近どうなの?2020どうなるの?
- 2019年を振りかえってみると、エンタプライズでのブロックチェーン活用の検討が一気に進んだ年だったと思います。また、特に非金融の企業の方々の検討が急増した年でした。
- 特に最近感じているのは以下3点かと思います
1.的を大きく外したユースケース検討は少なくなった
-さすがに、ブロックチェーン=ビットコイン、の時代は終わりました
-適用領域の、共通認識が醸成されつつあると感じています
2.Think Big, Start Small
-大きく絵を描きつつ、現実的な範囲で迅速に始めていらっしゃるケースを多く見受けます
3.技術指向(新奇性・PR)から、実用指向(着実・地道)に
-従来の「とりあえずプレス出しとけ」から、「外部発表はしないけど実はPoCを終えています」というお客様が増えています。
-運用、サポート、拡張性といった、将来性を見越した技術選択最初から行う企業様も増えました
-また、その目的も現行業務改善はもちろんですが、社会的意義、SDGs、監査、法律対応など新たなモチベーションも増えてきました - 年末ということもあり、上述したBlockchain GIG#6のイベントや外部イベントで、最近の動向、2020年の動向について、弊社メンバーが登壇した資料を共有します。ぜひ参考ください。
最後に
読書「ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング」を読んだ
台風だから、というわけではないのですが、会社の同僚から借りたので早く返さないとと思い、台風で外に出れない時間を使って読みました。
ご存知元AWSの小島さんの著名な本です。
自分自身、「Blockchain GIG」というブロックチェーンのコミュニティを運営しています。2ヶ月に一回ぐらいのペースで実施してきたコミュニティも先週5回目が終わり、また、毎回80名ぐらいの方々にご参加いただいています。常連さんも増えてきたし、同時に新規参加者も増えてきたし、さらには話したいといってくださる方も増えてきたし、ようやく軌道にのりはじめたなと感じる一方、これからも模索しないといけないタイミングになりつつあります。
oracle-code-tokyo-dev.connpass.com
また、それとは別に別途、いくつか新たな会社の施策を企画、実施することに関わっており、ここで「コミュニティ立ち上げのために学ぶ」のはもちろん、「自分がやってきたことや考えてきたことが正しいのかを再度確認したい」と思い、読んでみました。
でも結論的には、それ以上に、最終章の話のほうが印象に残ったということを書きます。
特に心に残ったこと
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コミュニティは、どんな人に集まって欲しいか「関心軸」が重要
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もっと知りたい、使いかたを聞いてみたい、正しいかフィードバックほしい
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困っていることをネタにすると集まりやすい
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優れたコミュニティは「わかっている人が、わかりたがっている人に話をする構図」
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私はこれができるから、ではなくて、みんなが知りたがっている軸で
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初期メンバーが極めて重要、後から変更が難しい
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勉強会、懇親会、情報発信の3点セット
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コミュニティで情報発信した人たちが、外から見えるようにする
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参加者には、自分ごと化して受け止めてもらうことな仕掛けを
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オフラインファースト、コンテキストファースト(最初からストライクゾーンをきちんと提示)、アウトプットファースト
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コミュニティマーケターに必要なもの:マーケターであること、人に好かれる人、会社に交渉できる力を持つ、製品愛があること
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拡大に必要なもの:自走化、株分け・分科会、地方展開
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代走、並走、コーチのポートフォリオ
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成長領域でパラレルにキャリア形成
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一歩踏み出して中に入る、中にいるからこそ見えてくることがある
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自分の関心軸、専門軸をはっきりさせる、みんなが寄りたくなる関心軸で
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積極的にアウトプットする、ときには当たり前のこともアウトプットする
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自分はどう見られているか、自分が他者にどう見つけられるか
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関心軸や専門軸を3つ以上もつ
気づき
- コミュニティの作り方、運営について学ぼうと思ったのですが、実は一番印象に残ったのはそこではなく、小島さんのパラレルキャリアの話でした。
- 自分が作りたいコミュニティとは、自分そのもの。
- 自分がどうなりたいか、どう見られたいか。そのために「みんなが寄りたくなる関心軸で自分の軸をはっきりと明示」し、「アウトプットする」、そして「自分がどう見られているか、外から見られるコミュニティ(自分)を確立する」
特に思ったこと
40歳も過ぎてくると、「自分はこれからどういう社会人人生をおくっていこう」「どういうポジション(自分らしさ)で稼いでいこう」といろいろ考えることも多くなってきました。というか、日々、考えざるを得ない状況に直面することが増えてきているのも事実です。
そのときに重要なのは、「自分の何を関心軸におくのか」「それは他の人が興味があることなのか」「それを自分のアイデンティティとして他人が認知してくれているのか」なんだなと。自分の思いだけじゃだめだし、他人が望んでいるから、でもだめだし、自分ができていると勝手に思い込んでるだけじゃだめだし。
その3つの調整をしながら成長してくためにも、アウトプットしながら、その反応見ながら調整していかないとだめですね。
コミュニティマーケティングの本だったのに、まさに自分の生き方を学べる本でした。
今後
先日ようやくTwitterのフォロワーが1000名超えました。1000名超えたら、自分ブランディングをもっと磨いていこうとずっと企んでいました。もっとシャープに自分軸を明確に、アウトプットしていこう。そしてもっと自分らしい、自分のコミュニティを作っていこう。その自分コミュニティを、もっと増やしていきたいな。
読書「ディープテック 世界の未来を切り拓く「眠れる技術」」を読んだ
三連休にディープテックを読んでおかないと時代に遅れる、といわれたので三連休中に読んでたのですが、ちょっとブログに書くのは遅れてしまいました。。
ディープテックという言葉自体は昨年からよく聞くと思います。一番わかりやすいのはHBRの下記連載かと思います。
ただこの本でのディープテックという言葉の定義は少し違います。「必ずしも新しい技術だけではない」「むしろ枯れた技術こそディープテックになりえる」という論調です。そこに日本の活路があるという主張です。
特に心に残ったこと
- ハイテクとローテクを「知」によって新結合させ、その集合体をテクノロジーと捉える=ディープテック
- ディープテックとは必ずしも新しい技術でなくてもよい、喫緊の社会課題を解決するもの
- テクノロジー進化を追求することよりも「何のためにテクノロジーを使うのか」テクノロジー進化を追う前に、課題は山積み。
- Decentraized
- アイデアと知恵と技術の重ね合わせによるイノベーション
そのためにはイシュードリブン(課題ドリブン)、ビジョンドリブン(ビジョン共有が前提) - 課題の可視化がアイデアを集める
- CSR→ISO26000→CSV→ESG→SDGs
- SDGsを儲かる持続的ビジネスとして実現するディープテック
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ユーザーやメーカー、自然環境、原材料の会社などともつながっていくべきビジネスによる外部不経済を、いかに社会全体とつながりあうことで減らしていけるか、サスティナブルな未来のビジョンを全体で共有すべきか
- テクノロジーとディープイシューをいったりきたりする
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とりあえず組み合わせてみよう
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大企業、スタートアップ、様々な人があつまり偶発的に生まれる、そこにさらに持続可能性が必要
気づき
- イシュードリブンではあるのだけど、テクノロジーと課題をいったきたりするというアプローチは非常になるほどと感じた。
- 課題の可視化が重要で、課題を課題と感じていないことも多い。そのためには知の融合のための様々なバックグランドの人と集まってやることが必要である。
- やっぱりこれからの時代は「社会課題解決」「持続性」がビジネスの重要性だなあと。企業課題解決、だけじゃなりたたなくて、その先の社会をどう変えていくのか、を意識して仕事していかないといけないなあと。
- やっぱり出てきた「Decentraized:非中央集権、分散社会」分散された知恵と能力とリソースをどう活用するか。
特に思ったこと
最近、過疎地域交通網の課題解決を地域通貨とMaaSで実現する、ISOU PROJECTに携わってきました。
その中心人物でもある、INDETAILの坪井社長がいつも「すぐできるMaaSでないとだめ。自動運転をまっていても時間がかかる。今すぐそこに過疎地域があり、そこで困っている高齢者がいる。だから今ある技術を組み合わせて実現しないといけない」とおっしゃっていたことを思い出しました。
このISOU プロジェクトでは、今ある電気自動車と、太陽光エネルギー、ブロックチェーンによる地域通貨を組合わせた、地域交通課題を解決するためのソリューションです。まさに「今ある技術」と「新たな技術」の新結合によるソリューションでした。
そして、そのINDETAIL坪井社長は、今、ベトナムに拠点を移し、新たなビジネス立ち上げを企画しています。先週一緒に飲んでいろいろ話しているときに、「ベトナムにはまだまだ解決すべき課題が目の前にある」とおっしゃっていたので、「坪井さんが言っていることがまさにディープテックに書いてあったよ」とお伝えしてしまいました。
今後
自分自身も今年の目標は「カタライザーになること」なので、新旧の技術、様々な人が持つ知識と知恵、社会課題を融合させる触媒となるべく、まずはできることから。毎日、今まであったこと無い新しい人と必ず会話することを自分の義務にしていこう。
そして社会課題解決のための労力に、もっと自分の人生の時間を割いていこう。
読書「デザイン思考の先を行くもの」を読んだ
図書館にいったら、前々から読みたかった「デザイン思考の先を行くもの」があったので、借りて読んでみました。
最近デザイン思考を使うアクティビティも増えてきたのですが、どうもちょっと違うアプローチがありそうだなと思っていたので、ずっと気になっていた本でした。
デザイン思考を知っている方ならスラスラと、この本の伝えたいことがわかるかと思います。
特に心に残ったこと
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デザインとは、新しい視点を提供すること、問題解決力
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デザインシンキングとは、PDAC、改善のためのツール、1→10のツール
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カスタマーを客観的に観察するところからスタート、他者起点がゆえに、誰もが同じところにたどり着く可能性もある
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では革新的なアイデアはどこから生まれるのか?極めて個人的な主観や見立てに基づくものから。ロジックやマーケティングからは決してうまれてこない
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「個人の見立てる力」と「未来からの逆算力」が重要
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自分が個人的にどんな未来にしたいのか、その未来からの逆算で、現在何が必要になるのか、それがデザインすべき答えであること。極めて「自己中心デザイン」
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未来=どうなるか、ではなくて、どうしたいか
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革新したいこと、と、その要素とは関係ない異分野の専門知識、をかけ合わせることでジャンブができる
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一人でやるには?自分がパッションを持つものを軸にし、異分野のものをかけあせる
気づき
- デザイン思考のよいところは、人間アプローチで、人間が欲しているものを提供することができる。ただし、それではそれ以上の驚きや期待を超えるものを生み出すのは難しいと感じていた。
- そんな中で、極めて「自己中心的未来」から生み出すということは新鮮。ただし単なる自己中心では、既存延長に過ぎないので、異分野を掛け合わせう必要がある。その異分野にも深い知識を有する必要があるので、自分がパッションを持ったものが深い知識を持っているだろうから、それを活用したほうがよいというのは何か勇気をもたせてくれる示唆だと思う。
- この自己中心未来は、「直感と論理をつなぐ思考法」にも同じことが記載されていたので、次回はこの読書感想を書こうと思います。
-
また、「デザインとは、人間の内になる課題を表面化する」というのは、このブログの4象限で述べられることに通じるものがあると思います。
今後
・異分野の掛け合わせの幅を広げ、深めていこう
自分のパッションのもつ軸をもっと深ぼる
自分のパッションのもつ領域をいくつも持つ=アンテナをたくさんはる
異分野に詳しい人脈をたくさんもつ
公立図書館のススメ
息子が本を読むの大好きなので、2週間に1回は世田谷の図書館に子供といきます。
子供は1回に10冊ぐらい借りるので、その本を子供が選んでいる時間の間に、自分もぷらぷらと図書館を周り、なんとく気になる本を借りてきます。
そこで今更ながら図書館のメリットを感じることも多いので、メリットとデメリットを共有しておきます。
メリット
- 何より無料、コストなし
- ネットで検索、予約も可能、便利
- 期限が決まっていたり、ずっと待った予約の本ということで、読もうというモチベーションがあがる。
というか、2週間で返さないといけない、次借りれる順番がくるのはだいぶ先、という半ば義務感も生まれ、読まないとという気になる - 面白くなかったり、役立たそうでなかったら、すぐやめれる
変に「お金出して買ったから」という義務感もない - 普通だったらお金出して買わなそうな本も読める、新しい出会いがある
- 子供と一緒に借りた本の話ができる
デメリット
- 欲しい本がなかったりする
- あってもすぐ借りれない、半年は先というのもザラ
- 手元におけないので、アウトプットとかしないと、インプットを後から見直しできない
- 借りにいったり返しにいくのがめんどくさい
ということで、今の所「今すぐ読みたい」本は実費で買って(ですぐメルカリ)、「ちょっと読んでみたい」「待ってもいい」本は図書館、さらに「ふとした出会いの本」も図書館という使い分けです。
ので、最近気になる本は、Amazonサイト→図書館サイト で検索しています。。
読書 「アフターデジタル」を読んだ
連休だから、というわけではないですが、以前から気になっていたアフターデジタルを読みました。
本当は前々から読みたかったのですが、世田谷の図書館に予約していたのですが、まだまだ予約順番が先でなかなか回ってこなかったので、ようやく自腹で購入したのでした。。
まだAmazonランキングでも上位を占めていることもあるぐらい有名な本ということもあり、書評もたくさんあります。
特にマーケッターの方の書評が多いような気がしますが、どの方もおっしゃるとおり、すべてのビジネスパーソンが読んでも損はない、というか知っておくべき内容だと思います。
特に心に残ったところ
- ビフォアーデジタル:リアルの人がたまにオンラインにくる世界
アフターデジタル:デジタルで常に接点があることが前提で、そのうえで、たまにデジタルを活用したリアルにくる世界(単なるリアルな世界ではない) - OMO:Online Merges Offline、すべてがオンラインで繋がっている状態
- オンライン、オフラインの垣根がなくなる
顧客は常に自分の使いやすい方法を使い、自由にチャネルを行き来できるようにする - オンラインを活用しようという発想ではない、すべてをデジタル化して意味を成す
- だから選択肢を提供しなければならない、ただし全てデジタルにつながっている
- そして顧客接点データをもち、それを顧客体験へ高速に回転する
- 必要なビジネス原理
高頻度接点による行動データとエクスペリエンス品質改善の高速ループ
最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適な方法で提供
単体での価値ではなくて、体験全体での価値提供 - まずやるべきはUXグロスハック。今ある接点からデータを増やす。それにより、行動データからエクスペリエンスを改善するループを高速化していく
- モーメント分析、連続的な時系列での分析。属性分析ではだめ
リコメンデーションなど、単に個々に自動最適化しても、その人に合ったものが提供されるだけで、そもそもの価値や体験は改善されていない - すべての接点のデータを獲得し、常に顧客に寄り添う
- 新しい指標、NPS:Net Promoter Score
あなたは他人に紹介したいですか? - UXイノベーションで新しい接点を増やしていく
体験の連続性、行動観察、デザインシンキングを駆使する - どうやったらアフターデジタルになるか、ではなくて、アフターデジタルの世界から今の世界を俯瞰する
気づき
- 単なる顧客接点を増やしデータを活用しよう、って話ではなくて、それが当たり前になったら何ができるのか、そのために何をまずすべきかというバックキャスティングアプローチが重要
- 部分的なデジタル化、ではだめ。すべてがデジタル化されることが重要。これがデジタルトランスフォーメーション。(単に単発なことをすることではない。抜本的な経営戦略変換が必要)
- 如何にお客様に寄り添うことができるか。
実は中国のほうが徹底的に社会、顧客を便利にしよう、というビジネスモデルとインセンティブ設計が回っている。
だから、顧客経験の高速改善を回すことにつながっている
今後
- なるほど、結構断片的に考えてしまっていることが多いなと感じることも多かったので、もう少し上位視座から考えた大きな視野の提案、会話をしてみよう
- モーメント分析は、今後新たに提案していきたい
その他
ところで、この本にも出てくる「中国の無人コンビニ」について興味深い記事がありました。
これ、本にも出てくる「日本人の悪い発想」のまさに典型例なんだろな
こんなTwitterもありました。
インフラが未整備の国でITを使った急発展が起きて、目新しくて刺激的なんだけど...
— おざけん|活用の視点でAIトレンドを発信| AINOW|ディップ|カメラマン (@ozaken_AI) September 15, 2019
・いたるところに自販機
・綺麗な現金がめちゃ揃う(キャッシュレスは進んでほしいw)
・あらゆるところにタクシー(配車アプリ必要!?)
・地下鉄使えばだいたい都内はどこでも行ける
やっぱり日本すごい。
そうなんだよねー。日本は便利すぎる。個々がすごいから。だから部分最適になっちゃって、アフターデジタルになりずらくなっちゃうんだろなあ。だから上位視座意識していかないと。。
結局「解決すべき課題をどこにおくのか」「どこを目指すのか」が部分最適になっちゃったり、それを見間違えたちゃうといつまでたってもアフターデジタルにたどり着かないのかなかなと思います。
Whatではなく、WhyとHowを。変化する時代に地図は役立たず、必要なのはコンパス
全ては顧客に寄り添っていかないと。
顧客に地図を見せてもだめ。コンパス見ながら一緒に並走していかないと。