maato’s blog

興味のあることや、これはと思ったことをゆるく情報発信していきます。本ブログで述べられている意見は、私自身の意見であり、所属する団体、企業の見解を反映したものではありません。

電通テック子会社の「情報銀行」サービスが始動

情報銀行ビジネスが活発に始まりつつあります。

電通および電通テックの子会社の「マイデータ・インテリジェンス」が情報銀行ビジネスを開始し始めました。

 

情報銀行とは

この記事がわかりやすいです。

japan.cnet.com

10月に総務省が説明会を実施し、私も参加してきました。

情報銀行は、個人または事業者が保有する個人データ(パーソナルデータ)を、本人の同意のもとで安全に収集・管理・提供する仕組み」

と書いてありますが、基本的には、「自分のデータは自分で管理しよう」という仕組み。

自分のデータを収集して、見せていい人、だめな人のコントロールも自分でしましょう。でも管理が大変なので、「銀行」みたいな事業が個人に代わって管理してあげましょう。ってスタイル。

単純に収集、管理、だけでなく、そのデータを提供することで、個人が何らかの利益を得ましょうってのがポイント。

 

GAFAに対抗

逆にいままではどうだったかというと、匿名化されて個人情報がないものの、いわゆるGAFAだったり、DMPの会社が、自分の知らないところで自分のデータを使って利益を得ているのはちょっと変だよね、自分のデータだもん、自分のところに利益もらおうよ、って考え方。

まあGAFAに対抗するために、日本で団結して、データを共有しよう、って策に見えます、私には。

ここらへん、推測も入れて深くなるので、それはまた別スレで。

でも重要なのは、「自分でコントールするのだから、匿名じゃだめよ」ってことです。匿名にしたら使ってOKになったのが、個人がコントロールできなくなった理由の一つなので、匿名は悪、なのです。

 

マイデータ・インテリジェンスのサービス、MEY

今回、電通および電通テックの子会社の「マイデータ・インテリジェンス」の発表したMEYはこんな感じです。

marketing.itmedia.co.jp

同社は、生活者が信託したPDを1つのIDで統合・管理し、生活者と企業双方にとって価値の高い有益なマーケティング支援サービスを提供するプラットフォームを構築、運用することを目的に、2018年9月に設立された

 

 MEY上にID登録することで、生活者は自身のPDを集約し重層化することにより、PDの一元管理が可能となり、企業から自分に合ったオファーやインセンティブといったさまざまなメリットを享受できるようになる。 

 ということで、自分のデータをここに集約、管理し、それを企業に使ってもらうことでメリットありますよ、って言っています。

 

ここで2つの疑問がでます。

・どうやってデータを集めるのか

・データを集約するメリットは何か

キャンペーン参加者を狙う

第一弾としては、このサービスからキャンペーン、つまり抽選とか、プレゼントに申し込めるということです。

これまで生活者はキャンペーンなどに参加する場合、氏名や生年月日、メールアドレス、住所といったPDを都度入力する必要があったが、MEYベネフィットで展開される全ての企業のキャンペーンにはMEYに登録した際のID(MEY-ID)だけで参加できる。

確かに、キャンペーンを申し込むときは、今でこそSNSログインもありますが、基本的には名前や住所を入力します。そもそもそういう時って、「自分の情報を公開する」ことが前提です。ましてやたくさん申し込む人は、そういう「データを公開する」ハードルが低い。

なので、アーリーアダプターとして、元から「データを公開する」ハードルが低い人を狙い、非常に面倒な入力が簡略化されるよ、ってことでメリットを訴求して囲い込んでいく、という戦略が見えます。

うーむ賢い。。

 

クーポンやサンプルのメリット、、いる?

また、企業側はキャンペーン終了後も参加者のPDを活用して新商品情報やクーポン、サンプルなどの提供を行うことができるため、単発のプロモーション施策にとどまらない継続的なCRMによってライフタイムバリューの最大化を図ることができる。

他にも登録すると、企業からサンプルやクーポンもらえるよってメリットも訴求しています。

でもこれ、、いる?

サンプルならまだしも、このクーポン反乱時代に、これ以上クーポン、、ほしい?

上記した、「キャンペーンによく申し込む」人ならば、「非常に面倒な入力が簡略化される」といったメリットのほうが訴求できるのかもしれません。

逆にクーポンとかたくさんきたら、うざくね?

 

マスターゲットに広げるのはやっぱり現金?

以上から、「キャンペーンによく申し込む人」から狙っていく、という戦略のようにみえますが、じゃあそれってどれくらいの人数市場なんでしょうかね。

「それ以外の人」にどれだけメリットが訴求できるのか、そのインセンティブをどれだけ出せるのか、がポイントになってきます。

 

ただその話って別にこの話だけでなくて、情報銀行全般が普及するかどうかの大きな肝になってきます。

 

先日のCEATECでは、三菱UFJが、「スニーカーの歩行記録を売ってMUFJコインを貰おう」って、インセンティブ=お金、とわかりやすいビジネスモデルを打ち出しました。

www.nikkei.comそれに対して、上記した総務省説明会では、かなり躍起にそれを否定していました。

なお、情報銀行について“個人と企業間のデータ売買を目的としたもの”と一部で報じられている件については強く否定。生活者自身が個人情報マネジメントレベルと意識を高めることや、より個々人に最適化されたサービスや製品を届けやすくするための仕組みであり、「お金につられてデータを提供するのでは本末転倒」だと説明した。 

 

 でも消費者からすると、クーポンとかより、お金ほしいよね。

 

ここらへんを、総務省の怒りに触れないように、うまくやるビジネスモデルが今後出てきそうですね。

そこらへんはアイデア勝負、だな、と。